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【学力向上】学力の3要素とは?

学力の3要素

 長い間、教育界では「学力とは何か」という話題をめぐって、様々な立場から多様な議論が展開されてきました。その議論に一定の結論が出されたのが、2007年の学校教育法の改正です。その第30条の2項において「学力を改めて規定された」と言われています。それ以降の学習指導要領改訂の柱にもなっています。

学力向上という言葉を考える時、旧来の「テストで高得点を取れるようにすること」にとどまらず、3つの要素を踏まえた上で学力を捉えていくことが重要になります。学力の3つの要素とは次の3つです。 

① 「基礎的・基本的な知識・技能の習得」

② 「(これらを活用して課題を解決するための)思考力・判断力・表現力など」

③ 「主体的に学習に取り組む態度」

 この3つの要素をバランスよく育むことが「確かな学力の育成」=「学力向上」には必要であるとされています。新しい学習指導要領では、

①「知識及び技能の習得」

②「思考力、判断力、表現力等の育成」

③「学びに向かう力、人間性等の涵養」

という表現となり、この3つの学力に対応する形で、評価が3観点に変更されるます。

※旧来の教育では、知識(技能)をどれだけインプットできるかの量的な面が重視してきました。学力が高いとは、覚えたことをどれだけテストで発揮できるかが問われてきました。授業も受け身で説明を聞くことが中心でした。

※これからの教育では点を取るための狭義の学力から、身につけた力をもとに思考し表現することのできるアウトプットする力(質的な面)が問われます。アクティブラーニングが目指しているのも、まさに、そのような活用するための学力なのです。

※賛否様々な意見がありましたが、今回の大学入試の制度改革もこのような学力に対するとらえ方の変化に対応した流れの中で行われたものです。「小学校や中学校、高校の学びを変えるためには、大学入試を変える必要がある」と文科省の教育課程の担当課長が説明していました。文科省は「本気で学びを変えたい」とも言っていました。それは、人材という最大限の資源が、これまでの学校教育のままでは世界に取り残されるという背景があるそうです。

※学習に対する意欲も重要な学力であるという観点から、「見通しと振り返り」が重視されたり、キャリア教育の重要性が叫ばれるようになったことも見逃せません。

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   【2020.7.29公開記事のリライト】

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