「やる気」について
NHKの番組で、かつて子どもやる気に関する実験をしたことがあります。それは、子どもたちに絵を描かせるとき、次の3つのグループに分けて観察するというものです。
A:過程を褒める:絵を描くとき、良かった点や工夫した点をほめる。
B:ご褒美をあげる:絵を描き終わったときに、お菓子やお小遣いをあげる。
C:何もしない:子どもが絵を描いているときも、書き終わってからも何もしない。
実験の結果は、AとBのグループはやる気を見せたそうです。特にスタート時では、Bのグループの子どもたちが高い意欲を見せていました。
Cのグループの子どもたちは、飽きてしまう子や丁寧に描くことをやめてしまう子ばかりとなりました。しまいにけんかなどのトラブルも起こし始めました。
Bのグループでも、次第にCグループと同じような子どもが増えていきました。結果、Aのグループの子どもたちは、やる気を継続させ、根気よく最後まで取り組むことができました。中には、続けて描きたいとねだる子も現れるほど…。
大切なのは、絵を描かせることではなく、絵を描く心を育てることです。換言すれば、絵を描きたいという「やる気」を育てることです。
「学力向上」を考える上でも、結果である点数ばかりに着目するのではなく、目では見えづらい子どもたちの内面にある「やる気」に着目することが大切です。スポーツ面で頑張らせることなども一緒だと思います。
子どもたちへの教育を進めていく上では、目先の結果や他からの評価ばかりに目を奪われないようにしなければなりません。