次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

「やる気」について(2)

 
 かつて心理学者たちが「やる気」に関する実験をしたそうです。それは、問題を解けた人に報酬を与える約束をするというものです。
 実験の結果、報酬を与えることによって問題を解決する能力は向上するどころか、むしろ低下してしまうという結果になりました。心理学的には「予告された報酬は、人間の創造的な問題解決能力を著しく棄損すること」がわかっているそうです。
 これらのことから「結果がでたら○○を買ってあげる」というような子どもの「やる気」の引き出し方は、正しくないというだけでなく、弊害でさえあると言えそうです。
 「やる気」を引き出すためには、その子の取り組む姿を温かく見守り、工夫したことや頑張ったことなど小さな変化を肯定的に捉えて、認め伸ばしていくということの積み重ねが必要なのです。言い換えれば、愛情ある手間と時間をかけた丁寧な指導こそ近道のようです。
 「ちゃんとやらないと○○させる」というような脅迫的な指導も当然弊害があります。子どもの中に、必然性や必要性があるかどうか、納得できているかどうかも大切です。
 最近、様々な方面から強調されるようになってきた「非認知能力」の育成が学力や体力の向上と密接な関係があるということも重要な視点となります。
 小さな成功体験を積み重ねながら、子どもの「やる気スイッチ」が入るときがやってくる。学校教育に携わる人々は、それを育て、見守ることのできる存在であってほしと願っています。
 

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