次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

「心を育てる」ということについて

 教育とは「教えること」+「育てること」です。子どもの成長を考える時、「心を育てる」ことについても、着目していくことが必要です。
 勉強やスポーツとともに、それを生かすことのできる心を身につけていくことで、未来を担う存在として逞しく育っていくのだと思います。学力や体力とともに、心を育てるという意識こそ、子ども達の成長に関わる者としての重視な視点になるのです。
 どのように心を鍛えるのか? 当然、努力や鍛錬も大切です。しかし、その子の性格や成長に合った配慮をしなければ、大人の働きかけも、子どもの成長を妨げ、時には傷つけることにもなります。特に注意しなければならないのは、自らが厳しい練習を重ね、鍛えてきた経験のある大人ほど、自分がやってきた方法論を唯一絶対と考え、子どもに同様の経験を一方的に押しつける傾向があるということです。
 次の逸話は、心の成長を考えるときのヒントとなるものです。
 かつて、川口市の小・中・高校を卒業し、ピッチャーとして期待されて巨人軍に入団した斉藤雅樹は、プレッシャーに弱く、ここぞというところで力を発揮することができなかったそうです。周囲からは「ノミの心臓」と言われ、監督からも「先発に向かない」と判断され、野手への転向案も出たほどだったそうです。
 ところが、新たに就任した藤田元司監督は、「マウンドに上がるのが怖い」と言う斉藤に対して、「お前は気が弱いんじゃない、気が優しいんだ」「投手というのは臆病でないといけないんだ。怖いというのは、お前が色々考えている証拠だ」「なぜその性格を武器にしないのか」などと諭しながら先発で起用し続けたそうです。 
 その結果は、最多勝最優秀防御率、最高勝率、最優秀選手、ベストナインゴールデングラブを度々手に入れただけでなく、「平成の大エース」「ミスター完投」と呼ばれるまでになりました。(ウィキペディアより引用)
 この逸話は、周囲も自身もマイナスと思っていた性格も、視点や発想を変えることで、成長(プラス)に結びつけることができるということを示しています。
 元々「ダメな子」などはいないと思います。ダメにしているのは周囲の大人の接し方なのかもしれません。まずはその子の理解を深めることを大切にしましょう。歩みは一人一人違うものです。
 すべての子どもが素晴らしい力をもって生まれてきたと思っています。その素晴らしさを共に探し、磨いていくことこそ、子どもと向き合っていく上で、周囲の大人が大切にしなければいけない心なのだと思います。

にほんブログ村 教育ブログへ
にほんブログ村