次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

今日的な生徒指導について(1)

今日的な生徒指導について(1)
○どこの学校でも例外なく、日々発生する子ども同士の様々なトラブルや保護者からの多様な要望(苦情)に対する対応に、程度の差はあれ少なからず追われているのではないでしょうか。
○例え子どもたち同士のトラブルだったとしても、対応を誤ると保護者と学校間の大きなトラブルに発展し、先生個人や学校全体が、その対応に追われていく事態に発展しかねない危険をはらんでいます。(ますます危険度は高くなっている!)
○一度、対立の構図になると、保護者は自分の言い分を通すために、上部権力に訴えることがあります。例えば、①管理職に訴える→②市町村の教育委員会に訴える→③都道府県の教育委員会に訴える→④文部科学省に訴える→⑤それでもダメならマスコミ、議員、弁護士、警察署、裁判所などとあらゆる力を行使しようとする傾向があります。
○最近この傾向がますます強くなってきているように感じます。
○このようなケースに出会う度に悲しく感じます。一つは、本来大切なのは、肝心な児童生徒本人であり、保護者と学校が協力して、その子の成長のために協力していく関係を築いていくことなのにも関われず、根本的にその関係性が崩れてしまうことです。
○保護者と学校(教師)との信頼関係が崩れた中での、その子の成長がどのようになっていくかを考えると、とても残念で悲しい気持ちになります。保護者が信頼していない人(人たち)の下で、子どもはスクスク健全に成長していくことができるのでしょうか。成長の遠回りをしてしまうのではないかと心配になるのです。良識ある学校では、そうならないようにするための努力はすると思いますが…。
○もう一つは、その対応に追われることによって、中長期的に学校全体の向上に影響を及ぼしていくということです。どこの学校においても、学校をよりよくするための積極的な取組は、どのようなことが起きても鈍化させないための努力はしていくと思います。しかし、トラブルが重度化、複雑化、長期化していくほど、影響が出ないわけにはいかなくなるのです。
○かつての保護者には、とてもその辺のことが分かっている方が多く、共に子どもを成長させていこうという面を大切にしていたと思います。若い先生等に対しても寛容さがあったように感じます。今日では、「自分が出てきたのだから学校側はけじめをつけろ」「形で示せ」などと要求することが増えたように感じます。
○教師や学校にとっても大切なのは、保護者とともに子どもを健全に成長させていこうとする姿勢を貫くことです。例え教師の指導に対して、保護者が苦情を言ってきたとしても、謙虚な姿勢で受け止め、子どもの成長や自らの指導の改善に結びつけていくようにしたいものです。
○「教師は理屈で話し、保護者は感情で話しをする」と言われますが、教師の理屈が正しいとしても、対応の当初から対立構図になってしまっては、却って失うことの方が多くなります。○保護者にそのような感情を持たせてしまったということも確かなことです。まずは、保護者の感情を受け止め、時間がかかっても、「子どもを一緒に育てていきましょう」という関係性の構築を目指して、粘り強く対応していくことが大切です。
 

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