生き方を考える(人生の通過点③) ~進路指導・キャリア教育の大切さ~
生き方を考える(人生の通過点③)
~進路指導・キャリア教育の大切さ~
進路本番の時期を迎えました。先日、たまたま街中で出会った顔見知りの中学3年生から「今日は私立高校の発表に行ってきました。合格していました」と報告され、とても嬉しい気持ちになりました。今後の高校入試での健闘と、中学校卒業後の成長が楽しみです。
進路指導は、子どもたち一人一人の将来に関わるものです。学校が行っている様々な取組の中で最も重要な取組だといっても過言でなないと思います。子どもたちの進路指導に直接関わる先生だけでなく、全ての教職員の力を、その学校の総力を結集して取り組むものだと思っています。
進路指導を進める上で、指導する側が大切にしなければならにことがあります。それは、高校等に「入る(進学させる)ことだけを目的とした指導」をするのではなく、「将来どのように生きていくのか」ということを視野に入れた一人一人に寄り添った丁寧な指導を行っていかなければならないということです。そのためにも、進路本番の時期を迎えるまでの間に単なる進路に関する指導を進めるだけでなく「キャリア教育」を進めていくことがとても重要となってくるのです。
キャリア教育を進めることは、学習することに対して「なぜ学ぶのか」「何のために学ぶのか」を子どもたちが主体的に考え、将来のために大切であることを理解したりしていくことにもつながります。学力の3要素を構成する「主体的に学習に取り組む態度」(学びに向かう力・人間性等)の育成にも関わるものだと言われています。このことからキャリア教育の推進は、学びの根本に関わるものだと言えます。
キャリア教育の必要性が叫ばれるようになってから久しくなります。小学校段階からのキャリア教育推進の重要性も訴えられるようになりました。各学校において『キャリア・パスポート』の取り組みも本格的に始まっています。しかし、多忙を極める学校現場においては、年々増え続ける「〇〇教育」の一つとして、負担感や嫌悪感を持たれて受け止められている面があります。『キャリア・パスポート』への取り組みも、その主旨が十分に理解されないまま「やなければいけないことの一つ」として受け止められている面が強いように感じます。
すべての子どもは、この世の中に必要な存在として生命を受けた大切な存在です。一人一人が素晴らしい可能性を秘めています。成長していくということは、その可能性を伸ばしていくことです。「自分が自分として生まれて生きてきてよかった」と思えるような人生を送るために、「生き方」を考える教育を子どもたちの成長に関わる者は、学校教育の根本にも関わる「キャリア教育の視点」を常に意識しながら子どもたちに接していきたいものです。