次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【教育】子どもを指導するとき大切にしてほしいこと(1)

①子どもを信じる 

・警察は、疑い、罪を罰するところです。学校は警察ではありません。子どもを成長させること、将来自立させることを第一に考える仕事です。北風と太陽ならば、“太陽”を基調とした指導が、子どもを健全に育成する力になります。

・子どもの話を鵜呑みにできないときもあります。嘘をついて正当化しようとしている時などです。しかし、指導するときの基本は、子どもを信じることが第一です。生徒指導は、子どもを成長させるための行為です。指導したからといって、簡単に改善されないこともあるでしょう。たとえ裏切られることがあっても、信じ続ける姿勢が大切です。

②「なぜ」を大切にする

・失敗したり悪い事をしたときに、咎めたり強く叱ったりすることも時には必要かもしれません。しかし、失敗をしない力を育てることこそ指導の本質。叱られるから気をつけるのではなく、失敗しない考え方や行動の習慣を身につけさせることを目指したいものです。

・そのためにも「なぜそのようなことをしたのか」「次からどうするのか」を考えさせ、教師が耳を傾けることとを大切にしてください。自ら言えない場合も、教師がなぜかを掘り下げていく姿勢が大事。

・教師は、一方的に言葉のシャワーを浴びせ、考えることを停止させ、反省させ、繰り返さない約束をさせたりしますが、子どもの心に落ちるものが無ければ、形だけの指導になってしまいます。

③保護者と敵対しない 

・学校全体が確かな指導力をもち、子どもたち、保護者から信頼される状況をつくっていくことが大切。逆に、信頼してもらえないと学校全体の大きな損失となり、子どもたちの成長の足かせともなります。保護者とは、共に子どもを育てる関係を築くことを大切にする。

・ベテランや指導力のある教師は、指導する度に信頼関係を築いていくことを大切にしています。指導しなければならないマイナスの状況を、プラスの関係づくりのチャンスに転換しているとも言えます。

・子ども・保護者に理解してもらえないのは、配慮が足らなかったから。不信を与えたことを指導改善に生かす謙虚な姿勢が、学校全体の指導力向上につながる。  

・クレームは改善へのチャンス。苦情が多いのは指導に課題や至らない所があったから。

④子どもの「気持ち」を考える 

 ・子どものための指導か、教師のための指導かを、子ども本人や保護者は敏感に感じるものです。課題のある子どもほど鋭い感覚を持っていることが多いです。指導されたことで、自信を失わせたり、不信をもたれたりすることがないようにしましょう。

・指導されるとき、信頼関係がある中では、多少の厳しい言葉も「この先生に言われたら言うことを聞こう」と子どもたちは思うものです。信頼関係がない中での厳しい指導は、子どもは納得しないだけでなく、反発を招くこともあります。時には、家に帰って不満を述べたことが、保護者の激しい抗議となることもあります。例え、表面上その先生の指導に従ったように見えても、他のところでその不満のはけ口を求めて抵抗や反抗を示すようになるものです。(つづく)