次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【教育】子どもを指導するとき大切にしてほしいこと(2)

⑤軽い指導で終わらせない

「生徒指導とは面倒くさくて、手間のかかるもの」という前提で、時間をかけ手間をかけ丁寧に対応することが、遠回りのようで近道になるものです。忙しさの中で、謝らせて終わり、反省させて終わりというような、教師の都合を優先させた見せかけの指導を続けていたら却って後で大変なことになります。

・とは言え、時間をかけて怒鳴り続けたり、追い込み続けたりするような指導を重視するという意味ではありません。その子の理解に努め、その子の立場になって指導することが重要です。時には、逃げ道を認めるような度量の広い指導が必要です。

⑥子どもの「行為」を具体的に改善させる

・人格を否定するような指導は厳禁です。行為は否定しても、人として子どもを否定してはいけません。生徒指導から人権問題や体罰事故につながることがあります。そのことが学校全体の大きな痛手となり信用を失うこともあります。指導の仕方が適切でなく、学級や学校が荒れたケースも沢山あります。

・過去のことを持ち出して指導することや、他の子どもと比較することは、子どもの不満や不信を高めることになります。

⑦率先垂範(モデルを示す)  

「子どもは大人がいったようにならず、大人がするようにする」という言葉があります。子どもたちは、大人(教師)の背中を見て育ちます。
・教員は最大の教育環境であるとも言われるとおり、身近な教員の有り様は絶大な影響を与えているものです。

○教師の情緒が安定し笑顔で過ごすことができる。
○教師が進んで人の役に立とうとすることができる。
○教師が挑戦する姿勢をもち、率先して行動することができる。
○教師が優しく人と接することができる。
○教員が時間を守る。
○教員がきれいな言葉を使う。
○教員が身なりを整える。
○教員が進んで挨拶をする(明るくいつも先に伝える)
○教員が整理整頓を実践する。
○教師が提出物を期日を守って提出している。  

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」(山本五十六

⑧集団を育てる

・生徒指導を進める上で大切なポイントが「集団を育てること」です。集団の力は、時に教師の力では及ばない結果(成果)をもたらすものです。

※それだけに、マイナス方向に作用したときの負の力を大きくしないことも必要

・最近の若手は「一人一人の理解に努めること」には意識が向いても、クラスや部活動などの集団を指導することが苦手な教師が多い。
・プラスの力をもった集団を育んでいくことこそ、学級・学校全体が本当の意味で安定し、さらに発展していく原動力になります。長く荒れない学級・学校づくりには不可欠です。
・子どもたちの良い行いについて、賞賛することで良い行動のモデルを示していくことができます。集団を育てる上で規範を示すことは大切なことです。
・集団を健全な方向に育てながら、個々の子どもを育てることに目を向けてみてください。集団と個の育成は、車輪の両輪のようなものです。

 (つづく)