次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【教育】話し方のツボ

授業中の話し方のツボとは何でしょうか

 教師の話が子どもたちに伝わらないのは教師の責任です。朝の教室で、教師が入ってきて「はい、静かに」と言っただけで静かになる場合も、いくら教師が叫んでも静かにならない場合もあります。
 同じ言葉を発しているのにもかかわらず、大きな違いが出てくるのです。子どもたちに伝わる話し方にはポイントがあります。

 教師の話し方が伝わらなかった理由を、教師自身がどうだったのかという視点で考えていきます。『声の大きさは適切だったか』『速さはどうだったのか』『教師の視線、立ち位置はどうだったのか』『全体を意識した話し方だったのか』『話す内容は、具体的なものだったか』などチェックするポイントはいくつもあります。

 教師にも正しい発声ができなければいけません。『正しい発声』とは、教師が『自分の感情やイメージがちゃんと表現できる声を出せる』ことです。
 教師の感情をうまく声にのせるためには、まず自分の感情を変えることが大切です。そして、感情をうまく声にのせるためには、声の『大きさ、高さ、速さ、間、音色』を意識することが大切です。

 あなたは何種類、使い分けていますか。それに、話に『間』と『速さ』でリズムとテンポをつくるようにするとよいでしょう。授業中の話し方のツボは

(1)笑顔で話す

 笑顔の教師が笑顔の子どもたちを育てます。一日の大半をしめる授業時間の間、常に教師がしかめっ面だと、授業を受けている子どもたちの気分も滅入ってきます。
 だから、何よりも大切なことが『笑顔で話す』ということになります。

(2)子どもたちを『ほめる』基準をはっきりさせる

 授業時間こそ『ほめて、ほめて、ほめまくる』時間です。ただし、『ほめる』基準をしっかりと持つ必要があります。そうしなければ、ある時は『ほめられる』のに、ある時は『スルーされる』といったことが起こり、子どもたちの心は教師から離れていきます。その『ほめる』基準を『できたか』『できていないか』にしてはいけません。『伸びたか』『伸びていないか』というのが『ほめる』基準です。

 『ほめる』ことが、一部の子どもに偏ったり、逆に多くの子どもをほめようと、わざとらしくほめたりすることが出てくるからです。

(3)余計なことは話さない

 教師は、本当に余計な言葉が多すぎます。発問や指示をした後も、何やかんやと話続けます。「考えて」と指示をしていながら話続けたり、板書を写しているのに説明を続けたり…。

 子どもの発言に、発言以上の解説をする先生もいます。解説を聞いていると、言ってほしかった発言かどうかの教師の心が透けて見えたりします。
 教師は沈黙が苦手なのです。人によっては耐えられないのです。でも、子どもにとっては迷惑な話です。

【おまけ】

集団の前で話しをするときは、Z目線、S目線が原則です。どこを見ながらどのような表情で、どのようなトーン・スピードで話をするとよいのか、もっと神経を使うべきです。話す内容ばかり考えて、話し方の研究を疎かにしている先生が多いようです。うなずいてくれる子どもを大切にしましょう。