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若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【人材育成・教員養成】教師の話し方

 かつて「教師は、話をすることが中心の仕事なのに注意を払っている人が少ない」「素人レベル」と言われたことがあります。
 何を話すかについての関心は高いのに比べ、どのように話すのかについて、学ぶ機会もないまま子どもたちの前に立ち、日々授業をしているという実態があります。

 教師の話し方に関して、文部科学省のHPで以下のような内容を見つけました。

1 話し方1(基本)

(1)授業は教師の「話すこと」によって進行するので、その巧拙は子ども達の集中力・学習意欲・理解度に大きく影響する。
(2)一般的な留意点としては次の5項目があげられる。

①発音の明晰さ
②話す速さ
③間の取り方 → 話の途中にポーズ(間)を入れることにより、集中させる。
④音量 → 子ども達は、聞き取った情報を判断する。
⑤抑揚 → 教師は、子ども達の理解度を測る。

2 話し方2(文頭と文末)

(1)次のように言い淀(よど)むと頼りなく聞こえ、子ども達はそれに続く言葉に対して信頼感をもてない。

「なんて言ったらいいのかナア…。」
「えーとネ、なんて言おうかナ…。」

(2)次のように終えると、そこまでの言葉すべてが不確かなものだったという印象を与える。

「…かナ。」
「…といっていいんじゃないかなア。」
「…だったりして。」
「…だ/です。たぶん。」

 3 子ども達の発言の受け方

(1)繰り返し型(発言の文末や一部を単純に繰り返す)→発言の核心部分が全体に周知されないので、発言が全体の学習を進展させない。
(2)言い換え型(発言の主旨を汲み、別の表現に改める)
(3)補足型(不十分な点を補って完成させてあげる)→理解の浅い児童生徒や表現力の乏しい子ども達への支援にはなるが、表現力を育てないマイナス面や考えずに止めることを助長しかねない。
(4)評価型 (評価の言葉を交える)→児童生徒の意欲を喚起するが、反面、教師が何を“正答”と考えているのかを窺(うかが)うことに神経を使い、本当に自由な発言や発想を抑制しかねない。
(5)あいづち型 (あいづちを打つだけ)→表面をなぞるだけでよしとする習慣を作りかねない。
(6)発問型 (内容を発展させる問いを返す)→思考速度の遅い児童生徒を置き去りにしかねない。
(7)無視型 (何ら応えることなく次に移る)→ 全体の意気を低下させ、発言者の学習意欲を削(そ)ぐだけでなく、学級集団づくりにまで悪い影響を及ぼしかねない。

私見ですが…】
(1)の「繰り返し型」は、別な言い方をすれば「オウム返し」です。以外に児童生徒の発言をオウム返しする先生は多いです。意図もなく、オウム返しを繰り返すことは、時間の無駄です。(個別指導で、意図的にオウム返しを使う場面はあります)
(2)の「補足型」も、研究授業でよく見ますが、補足し過ぎると発言した児童生徒が自信をなくしたり、教師の言いたいことに言い換えられたりするマイナス面があります。
(3)の「評価型」だけでなく、(1)や(2)などでも、教師の声や表情、話の内容で、どのような答えを求めているかが、児童生徒に伝わることが多いです。結局、教師が求めた答えを探すようになってしまうことや、間違いを恐れて発言に対して消極的になってしまうようです。

※場面に応じて、上のそれぞれの型を組み合わせながら、できるだけシンプルな言葉で受け止めながら、一人でも多くの児童生徒の発言を引き出すことを心がけましょう。また、「卓球」のように、児童生徒と教師が一問一答で進めるのではなく、「バレーボール」のように、一人の発言を他の児童生徒につないでいく工夫ができるようになると、授業はさらに活性化していきます。

 

 

 

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