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【本の紹介】「生徒に『私はできる!』と思わせる超・積極的指導法」

「生徒に『私はできる!』と思わせる超・積極的指導法」長谷川博之著(学芸みらい社)の内容の一部を紹介します。中学校の先生が書いた本ですが、生徒指導に苦しむ小学校の先生にも参考になると思います。

生徒指導とは

  文部科学省から出されている『生徒指導提要』(平成22年3月)には、生徒指導について次のように書かれています。
「生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動のことです」「生徒指導は学校の教育目標を達成する上で重要な機能を果たすものであり、学習指導と並んで学校教育において重要な意義を持つものと言えます」

2つの生徒指導

 かつて学校現場で「生徒指導」というと、児童生徒が問題行動を起こした時の対応を中心とした対処療法的な指導(消極的な生徒指導)が中心でした。児童生徒に厳しく注意する。反省させる。何となく「強面の先生が」が担ってきたイメージがあります。

 現在の学校教育においては、健全な心の育成を通して、望ましい人間関係の構築を目指す積極的な生徒指導に力を入れている学校が増えてきています。

 2つの生徒指導の違いは、トラブルが起きたときの対応を中心とした受け身の生徒指導から、トラブルを未然に防ぐ又はトラブルを起こさない健全な児童生徒を育成しようとする踏み込んだ指導へのシフトと言えます。
 もう一つの違いは、かつての生徒指導が、指導力のある生徒指導担当の先生が担っていましたが、積極的生徒指導に力を入れている学校では、「生徒指導はチームとして取り組むもの」という発想に立って全教職員が取り組むことを大切にしています。

本の内容を一部紹介します

「叱れない」のは教師失格である。お友達教師は害悪だ。叱るべき時に叱るのは私たちの大事な仕事の一つである。だが、そのような場面はそれほど多くはない。叱ってばかりで子どもを駄目にした例は身近に数多くある。基本は「教えて褒める」、積極的な生徒指導なのである。

「教師は太陽であれ」

私の口癖である。… (前書きより)

  この本では、「自己肯定感を回復させることで、生徒の人生が変わる。」としています。失敗ばかりする生徒に次の言葉を語り続けたそうです。

「君はこの学級になくてはならない存在だよ。いまに学級を背負っていく人になるよ。君ならできるよ」

 「はみ出し生徒」を救うのは、周りの子どもである。として、集団の力を育てることを重視しています。授業においても、次のような点に力を入れているそうです。

・すべての生徒に光をあてること
・授業開始前に「仕事」をすること(教室に入ってからチャイムがなるまでの行動)
・授業の型を決めて、生徒を安心させる。

 また、行事を通して感動を味合わせることや、部活動でおこなう積極的な生徒指導の実践例も紹介されています。

 特別支援教育の視点

  特に着目するのが、「特別支援教育で行う超・積極的な生徒指導」という箇所です。通常学級に在籍する発達に課題がある児童生徒の存在が、今日の学校教育においては課題になっています。特別支援教育の視点は、そのような児童生徒を救うという面だけでなく、他のすべての児童生徒に対しても、学びを変えていく可能性があるのです。

 まだまだ紹介しきれていない内容が沢山ありますが、是非、一読してみてください。

最後に、本文の中から一文を紹介します。

「子どもの成長は教師の成長に規定される」

私も同感です。

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