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若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【生徒指導・健全育成】子どもをやる気にさせている先生(「doing」と「being」)

ポジティブフォーカス

 児童生徒をやる気にさせている先生に共通しているのは、「この子のここがおもしろい」「この子のこういうところを伸ばしてあげたい」という思いをもっていることです。いわゆるポジティブフォーカスを大切にしているということです。

教師の陥りがちな傾向

 教師は、まじめで保守的な傾向が強い分、できないことに目を向ける傾向が強いと言われます。また、思った通りにしてくれないと許せないという感情が強く働くようです。「あの子は忘れ物が多いだからだめだ」「勉強ができない子はだめな子」「自分の言うことを聞かないから許せない」などと、その子の持つマイナス面だけでその子の全てを決めてしまうことは、その子の成長の芽をつぶしてしまうことになりかねません。

 担任が、そのような目で児童生徒を見ていたら、所属する全ての児童生徒の健全な育成はできません。学級全体の向上の沈滞を招くことにもなりかねません。子どもを押さえ込む「力」があれば、表面上は従いおとなしくしているでしょう。しかし、進級して担任が代わったり、他の先生が指導したりする場面では、「荒れ」を起こす可能性さえあります。

 こうあるべきだという型にはめる指導や、「今までもこうしてきて間違えなかった、だからこれからも続けていこう」は注意です。「子どもは大人の言うようにならず、するようにする」と言われます。どんなに素晴らしい指導をしていても、先生自身の言動こそ教育そのものなのです。誰のための指導なのか、何のための指導なのか、他の人とどのように接するのかなど、子どもは敏感に感じているものです。

健全な人間関係が子どもたちを健全に育てる

 仲の良い両親のもとで、健全な子どもが育つように、チームワークの良い教師集団のもとでは、子どもたちは、笑顔が多くやる気に満ちていることが多いです。心も身体も学力も、そういう状況で伸びていくのだと思います。同僚や後進の若手を大切にし、良い面に目を向け、ともに育っていこうという教師ならば、子どもにも同じような接し方ができ、信頼される存在となっていくでしょう。

「doing」と「being」

 「doing」と「being」という言葉があります。カウンセリングやメンタルヘルスなどで使われる言葉です。「doing」(やること)ばかりに目を向けてしまうと、やらないから(できないから)あの人はダメだと「being」(存在)まで否定してしまう危険性があります。相手が、児童生徒でも、同僚でも、まずその存在自体を肯定的に受け入れること(「being」)が大切であり、教育者としての基本中の基本だと思います。

 明るく、優しさがあり、活気がある学校や学級の共通項は、この「being」を教師も児童生徒も大切にしているというあたりにポイントがありそうだと感じています。

 

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