次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【本の紹介】『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝に導いた47の言葉』

『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学箱根駅伝に導いた47の言葉』(原晋著)より

*学校が向上していくためのヒントが沢山あります。先生方にもお勧めの一冊です。原監督は、良い結果を出すためには「人と組織」を強くすることが重要であると述べています。監督は、かつて営業マンとして培ったビジネスのノウハウを活用して、今の青学陸上競技部を築いていきました。

誰がやっても強い組織をつくりなさい

 組織は自分一人でつくるものではない。…長期的に繁栄を続ける企業のように、トップが変わってもぐらつかない組織を目指してきたそうです。

土台のないチームは、勢いで勝つことはあっても連覇はない

 スーパーエースの出現を待望するのではなく、時間をかけてチーム力を底上げして優勝を狙うほうを選んだそうです。土台づくりでは、任せられるようになったら権限を移譲することを心がけてきたそうです。「誰かに任せたほうが組織は確実に強化できるはず」だとも述べています。

良質の土壌をつくるには時間がかかる

 学校教育にも同じことが言えるのではないでしょうか。学校現場の多忙のマイナス面が大きく表れているのが、この「良い土壌をつくる」心身のゆとりを失っていることだと感じています。若い教員に対しても、じっくりと育成していくことができないまま、多くの病休者を出していたり、すぐに結果を求めるがあまり、長期的な視点での人材や組織の育成ができていなかったりすると感じています。

 「人はすぐに結果を求めたがります。…質のいい花をたくさん咲かせたいなら、まず目を向けるべきは土壌を耕すことです。」

 「新入社員を育てる余裕も育成システムもなく、結果がでなければ『できない社員』の烙印を押す。上司は、ミスを減らし、結果を出そうと自分で仕事を抱える。どう考えても組織にとっていいとは思えません。」

「そのような組織はどんどん土壌が枯れていき、やがて芽が出ない畑になってしまいます。よりよい組織づくりが、よりよい人材を育てる。」

《チームをつくる4つのステージ》

ステージ1 命令型

 監督の命令で全員が動くチーム。規則や方向性を徹底させ、チームや組織の土台をつくるには適していますが、部員が監督の指示どおりにしか動かないので、自ら考えないようになってしまいます。

ステージ2 指示型

 監督が学年長(代表者)に指示しを出し、学年長が部員に伝えて動くチーム。権限を与えられた学年長は自覚が生まれ成長しますが、ほかの部員はまだ自ら積極的に考えようとしていません。

ステージ3 投げかけ型

 監督が方向性だけを学年長(代表者)に伝え、学年長と部員が一緒に考えながら動くチーム。ステージ1、2を飛ばして、いきなりステージ3から組織づくりをしてしまうと、部員が自主性と自由をはき違えたチームになるため、注意が必要です。

ステージ4 サポーター型

 チームづくりの最終段階は、監督が外部指導者を巻き込みながら、部員に対してサポーター役になります。部員の自主性とチームの自立を求めていくことになります。

 世の中にあるルールや考え方は、時代の変化と共に見直していく必要があります。時代が変化するにつれ、思考・行動にも変化が現れてくるものです。『今までこうしてきた』とか、『前例がない』というのは、考えること、工夫することを放棄した人が使う言葉だと思います。青山学院大学陸上部の手法は、まさに、固定観念に囚われないやり方だったと思います。今、教育界でも、これまでの常識にとらわれない学校経営・運営を導入する学校が少しずつ増えています。

 最終的に、このように述べています。

 勝利だけを追い求めるよりも、人間形成を第一に行う方が、結果として勝利への近道になる。

 最後は、やはり人間性。その一年を、その人と一緒に戦いたいと思うかどうかがすべてでしょう。

 学校は、人と組織を育てる場所です。教育とは、「教えることと、育てること」です。教えることだけでなく、時間をかけて、児童生徒を、そして若い教師を育てることを大切にしましょう。

 

“進化を止めた時点で退化になると感じた”(2019.1/4新聞)~「時代遅れ」は「手遅れ」になる~ 

世の中にあるルールは、時代の変化と共に見直す必要があります。時代が変化するにつれ、人間自体の思考、行動にも変化が表れるからです。『今まではこうしてきた』とか、『前例がない』というのは、考えること、工夫することを放棄した人が使う言葉だと思います。

固定観念が考える邪魔をする。できない理屈を並べるより、できる理屈を考える。

チームには「平等感」が必要だ。選手全員が切磋琢磨した先に、エースが生まれる。

勝利だけを追い求めるよりも人間形成を第一に行うほうが、結果として勝利への近道になる。

理想のチームは、指示を出さなくても部員それぞれがやるべきことを考え、実行できる組織です。

最後は、やはり人間性。その一年を、その人と一緒に戦いたいと思うかどうかがすべてでしょう。

にほんブログ村 教育ブログへ
にほんブログ村