次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【組織・マネジメント】よきメンバーは、よきチームで育つ(学校・学級のチーム力を高めよう!)

「チーム〇〇(学校)」という言葉の危うさ

 「チーム〇〇(学校)」などと標ぼうしている学校が沢山あります。年々増えている傾向にあります。「チーム」と言えば、チームになるのでしょうか。
 ラグビーワールドカップで日本チームが活躍した後、このような川柳が作られました。

「ワンチームにわかに課長が言い始め」

 この場合「チーム」という言葉を使って、課長が課長自身にとって都合のよい「チーム」を意識していると感じるのです。同様に学校の管理職が「チーム○○(学校)」などと言うとき、所属職員を管理しやすくしようとしているように思えるのです。別な言い方をすれば「チーム」という言葉を使った「同調圧力」を感じてしまうです。所属する教職員自身が、自分たちはよいチームになったと思える仕組みや人間関係に価値を見いだし、自分たちでそんな「チーム」づくりを目指す過程こそ大切にすべきだと思います。「チーム」はトップダウンよりボトムアップの力こそふさわしいということです。

単なる「集団」か、「チーム」を目指しているのか?

 様々な組織(学校等)を見てきてシンプルに思うことがあります。この職員集団は「集団」なのか「チーム」になっているのか。ここで言う「集団」とは、極めてパフォーマンスの低い組織の総称を指しています。この特徴を持つ集団のままでは、1人あたりのパフォーマンスは低下していきます。
 皆が頑張っているのに成果が出ないと悩む組織はとても多いのです。実はそう言った組織の多くが「チーム」ではなく「集団」的傾向が強いのです。

「チーム」は構成メンバー全員でつくりあげていくもの

 チーム力とはメンバーの個性・特性を生かすことで生まれる相乗効果(シナジー)が強みです。一人一人の良さややる気の向上が期待できるのが「チーム」です。ですから、「集団」が単に1人の力+1人の力=2人の力なのに対して、「チーム」は1人の力+1人の力=3人以上の力を発揮するというような相乗効果が期待できる組織です。

f:id:schoolleader:20200621141059p:plain※担任や顧問をしている先生へ:この表は、学校・教職員集団についてまとめたものですが、子どもたちの集団(学級等)を見る時にも参考にしてください。

チーム力向上と組織マネジメント

 チームとは「個人+個人」以上の相乗効果(シナジー)が発生している集団です。組織力の高いチームが、個々の力以上の力を発揮することは、スポーツの世界で多くの例を見ることができます。
・最近では、リオオリンピックの陸上の男子リレーチームの活躍。
ラグビーワールドカップでの日本チームの躍進。等々。
 これらの例は、個々の力が弱くてもチームとして戦えば個の力の強いチームに勝てることを証明しています。

 文部科学省も学校における組織マネジメントの積極的な導入の旗を振っているのはご存知の通りです。人事評価システムの導入や、新たにチームワーク行動評価が加わったことも、教職員が協力して学校全体を活性化させ、教育力を高めることが目的です。

よきメンバーは、よきチームで育つ 

 集団の向上と個人の向上は両輪のようなものです。「よきメンバーはよきチームで育つ」とも言われます。学校が組織として大切な仕事は、「人材育成と組織の育成」を図っていくことです。組織マネジメントとは、「学校の教育力向上のための好循環を生み出す仕組みづくりとその推進」です。
 人(児童・生徒)を育てる人(教員)が育つ。そんな学校を目指したいものです。

数年後、数十年後、「あの学校・学級で過ごすことができたから、今の自分がある」そんなふうに思える、そんなチームづくりを目指したいと思います。

 

   【2020.6.23公開記事のリライト】

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