次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【人材育成・教員養成】孤立させない・一人で抱えこまない

よりより学校づくりは、よりよい人間関係から

 一人で苦しむ先生がいます。心を病み職場を去って行く仲間も多いです。困難の多い学校現場だからこそ、仕事が多忙を極める現状だからこそ、職場の人間関係は円滑で、心温まるものであってほしい。優しく心温まる明るい職場は、児童生徒の元気の源です。職場環境の、中でも人間関係の改善は、学校全体の機運の上昇につながる核心です。それは、誰かに与えられるのを待つのではなく、各自が何ができるかを考え、思いを実現させるための願いを行動にしていくことの積み重ねが必要です。よりより学校づくりは、職場のよりより人間関係づくりが不可欠です。

多忙を極める学校現場の危険性

 今の学校現場の日々は多忙を極めています。授業の準備だけでも大変ですが、それ以外にもやらなければならないことが沢山あります。加えて、急な対応や難しい対応を余儀なくされることも多くなったと感じています。個別の配慮が必要な児童生徒も多く、保護者などからの要求も多岐にわたり、それぞれへの対応にも神経をすり減らす毎日が続いています。多くのベテランが退職し、若手が増えている状況もあります。多忙感は、心のゆとりを削り、他者との関わりを減らし、一人一人の心を自分の領域を守ることに向かわせ、人間関係を疎遠にしていく危険性があります。

孤立させない・一人で抱えこまない

 様々な理由で、苦しみを抱え、心の病を患い学校現場を離れていく教員が沢山います。苦しんでいる先生を理解し、ともに協力し支え合えるそんな職場がいい。温かく優しい明るい職場は、学校全体を活気あるものにしていきます。
仕事が大変でも職場の人間関係だけでも円滑で温かいものでありたいと思うのです。「孤立させない・一人で抱え込まない」この言葉を合言葉に、共に働く仲間がそれぞれの良さを生かしながら力を発揮し合える職場、この仲間と働けて良かったと思える職場、そのような職場にしていきたいものです。

非難や批評より、仲間として何ができるか 

 生徒指導に関わる保護者対応が終わって職員室に戻ったら、誰も残っていなかった…。という職場より、残っていた先生達がさりげなく労わってくれる、そんな職場がいいと思います。
 自分の力がないから、自分の責任だからと一人で解決しようとせず、日々、良かったことも、上手くいかなかったことも、報告・連絡・相談できる関係性を大切にしましょう。一人で抱え込んで苦しむのはいけません。
 学校においけるトラブル対応(生徒指導等)の原則は、情報の共有化と組織による対応が大前提です。困っている先生や、苦しんでいる先生がいたら、周りは何ができるかを考え、具体的に動いてあげましょう。

厚みのある組織・重なり合う人間関係 

 野球では、ベースカバーに入ることなどをバックアッププレーといいます。結果的に無駄になるかもしれない、そのような周囲の配慮こそ厚みのある組織づくりには必要なのです。
 厚みのある組織や重なり合う人間関係は、これから益々増えていく若手教員の支援・育成にもつながるものであり、心を患い休職等に入る先生を未然に防ぐ力にもなります。健全な学校づくりには、不可欠であり大きな力となります。
 一人一人を大切にし、育てることのできる職場こそ、児童生徒一人一人を健全に育てることのできる職場なのだと思います。

   【2020.6.16公開記事のリライト】

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