次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【ことば】ゆでがえる(現象)

ゆでがえる現象

  平和な状態に長くいると、危機に気づかず、気づいたときには大変な状況になっているたとえとして使われる言葉です。平和な学校が突然荒れる。その背景に「ゆでがえる現象」が考えられるケースが沢山あります。今が平和なら、今やっていることを変えるという発想には中々立てません。それが、現状維持優先となり、変化を嫌う体質となって蓄積し、やがて学校の危機を招く恐れがあります。学校教育に関わるものは、常に「ゆでがえるになっていないか」という「注意」と「気づき」が大事です。

 常に向上を目指し、変化を恐れないこと

 どの学校にも大変だった歴史があります。必死になって立て直しに取り組んだ先生達もやがて他校へと転勤し、入れ替わりに多くの転任または新任教員を迎えることになります。そうしているうちに、当時の苦労や思い、大切にしてきたこととその理由を忘れていく傾向が強くなっていきます。だからこそ現状に甘んじることなく、前進を図っていくこと。よりよい児童生徒の育成を目指し続けることが大切なのです。

 危機感を共有し、学校にある様々な課題を分析して、症状が現れる前に危機の兆候に気づくことが大切であり、さらに攻めの姿勢を持ち続けることこそ、これからの学校には求められています。「攻撃こそ最大の防御である」という言葉があります。改革・改善・向上・前進こそ、荒れを防ぎ安定した学校を作り出すための最大の防御なのです。働き方改革に逆行しているのか、否、拡大した課題に対処療法的に対応するより、はるかに負担の軽減につながるのです。奪われる時間、精神的な負担は、「守り」と「攻め」では比較になりません。

「攻め」(改革)のために大切なこと

 学校全体でビジョンを共有し実践のベクトルを合わせることが何よりも大切。見える部分の裏にある見えにくい部分こそ本質。見えにくい部分とは、帰属意識や愛着、居心地の良さや児童生徒が誇れる学校づくり、そして自尊感情の育成に力を入れること。 

  前提になるのが、問題を問題として受け止め共有できる教師間の信頼関係、目の前の児童生徒のために、絶えず挑戦を続ける教師たちの姿勢、そうした共同的で挑戦的な学校文化を生み出すマネジメントやシステムの存在といった見えにくい部分、いわば学校の組織としての力こそ命です。

  学校改革の本丸は、授業改革です。学校全体、教師全体への面の信頼を構築するには、学校生活の大部分を占める授業で、児童生徒を満足させることが不可欠。誰が改革を起こすのか。「管理職がやってくれない…」などと文句を言っていたら始まりません。学校教育に関わる全ての人が、当事者意識をもってやれることから初めて行くことが大切なことです。

「弱みを克服しても普通の学校。強みを伸ばしてこそ特色ある学校になる」

 

【参考図書】
『中学校「荒れ」克服10の戦略~本丸は授業改革にあった!』(学事出版)
『その手抜きが荒れをまねく』(吉田順著)という本があります。

  

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