次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【危機管理】苦情で炎上する学校、苦情を「力」に変える学校

クレーマーがリピーターに変わる確率

 「ジョン・グッドマンの法則」というクレームの数値を表しているものがあります。この法則によると、クレームを迅速に対応して顧客に満足してもらった場合、リピーター率は82%にも上るそうです。

 一方、クレーム対応に満足はしたものの、対応が遅いと感じた場合は、50%。対処のスピードで、リピーター率に30%以上もの開きが生じます。

 また、不満があってもクレームを言わずに黙っている人は全体の60%で、その人たちのリピーター率は、なんと10%ほど。ほとんどの人は不満があっても、クレームを言わずに、その店(企業)をさるということになります。

 さらに、人のうわさについて、ある報告では、「良いうわさは、1人から4~5人に伝える」と言われます。一方で「悪いうわさは、1人から9~10人に伝える」そうです。不満があって店(企業)を去っていった人は、黙って去るわけではなく、「最悪だよ、あの店は行かない方がいいよ」と9~10人に広めている可能性があります。

 そう考えると、クレームを言ってはいても、対応さえ良ければ戻ってきてくれる82%の人たちは、有難い存在といえるでしょう。この人たちは、「ここさえ改善されれば、もっと利用したいのに」と思ってクレームを言ってくれているのです。クレームに「感謝の気持ち」で対応することで、お店や会社の将来に大きく影響します。クレームこそチャンスです。さらに発展できるチャンスを大切にしましょう。

保護者は感情、教師は理屈

 苦情を言ってくる保護者は、学校に対する関心が高いとも言えます。激しく感情的になっていても、どうすれば共に子どもを育てる仲間になれるかをゴールイメージに対応していくことが求められます。苦情を言ってきたことだけに感情的になり、対立構図から入ると、解決しないばかりか何も得るものがありません。まずは、学校まで来てくれたことに感謝し、感情を害させたことを認めつつ、相手の言い分に耳を傾けましょう。

 ともすると、相手のことばを遮って、学校(教師)側の正当性をぶつけても、決裂するのは目に見えています。なぜならば、保護者は感情的に許せないのであり、学校(教師)側は理屈の正当性をぶつけているだけになるからです。

 感情的になる保護者の背景を理解することも大切です。例えば、仕事が忙しくて、十分なことをしてあげられなかったという思いなど、我が子に対する様々な思いが交錯していることが多いことが分かります。保護者の思いの理解に努め、協力し合える関係性が築ければ、最後まで、学校を応援し続けてくれる強力な見方になる可能性もあります。上手く行かないことも当然多いですが…、「あの学校(先生)の言うことなら」とゆとりをもって反応してくれるように変化することは多いです。

 何かケガやトラブルがあった時に、学校がどのような姿勢で対応するのかが、関係性を構築するうえで大変重要になります。保護者の立場から見ると「学校はここまで(丁寧に)やってくれた」と思うか「これしかやってくれなかった」と思うかに分かれます。児童生徒本人や保護者の思いや願いの理解に努めることが判断する上で必要となります。学校に対する不安は不満につながります。どれだけファンを増やせるかが勝負です。

 

 

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