次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【人材育成・教員養成】人を育てる場所

 教師としての仕事をしていると、大人であること、教師であることの「力」を使って、児童生徒に対して自分の言うことを聞かせようとする危うさを感じることがあります。ともすると、そういった言うことを聞く児童生徒を「いい子」としてしまうおそれもあります。

 時として「力」が必要な場面もあるとは思いますが、この「力」にばかり頼った指導には大変危険な面があります。「力」とは「有無を言わさず子どもを従わせようとする力」です。教師本人は、自らを「力がある」と思っている反面、学校・学年という組織の観点からはとても危険をはらんでいるのです。

①「自分の言うことを聞けばよい」という面が強くなることで、そのクラス、その先生の授業は成り立っていても、学校全体による組織としての力が弱くなる。特に「力」のない(優しい・弱い・未熟な)教師にその反動が大きく出るようになります。その結果、「力」のある教師が他校に異動した後に、学校が荒れることにつながっていく可能性が高いのです。本当に強い教師集団は、それぞれの特徴(良さ)を強みに変えることができる柔軟性や懐の広さをもっています。

②子どもの中でも「力」による力学が働き、いじめやゆがんだ人間関係の温床を生んでいく危険性があります。子どもにも、強い子、弱い子、がいてそれぞれの良さを認め合う風土の醸成が大切です。強いことが正義なでのはなく、正しいこと(優しいことやまじめなこと、努力することなど)が正義なのです。

③教師自身が成長とともに、身につけていく「人を育てる力」が伸びないという面。教師として成長するとは、教えるのが上手、育てるのが上手、子どもの心が分かる、親の心がわかるという、沢山の先生を見てきました。本当の力がある先生は、指導すれば指導するほど、子どもと保護者の信頼を得ています。

  『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』ジョン・C・マクスウェル(ダイヤモンド社)の一部を紹介します。担任として顧問として、子どもたちとの接し方の参考にしてみてください。

○リーダーシップとは、人びとに自信を与える人格のことである。
○人と接するとき、相手に好かれるようにふるまうのではなく、相手が自分自身を好きになるようにふるまえばよい。
○成功する人は「善なる部分」だけを見ている。希望を売る仕事。
○毎日、やる気満々で現れる。常に向上する。最後までやり通す。
○勇気は伝染する。人々の潜在能力を引き出そうとする意気込みが強くなければならない。
○70:25:5の法則を実行する。強みに70、新しいことに25、弱点に5%を割り当てる。
○真のリーダーは、絶対に見返りを期待しない。
○「人の話を聞かない人」にリーダーはいない
○すぐれたリーダーは、問題は必ずあるものと想定する。そうでないリーダーは、絶えず窮地に立たされることになる。
○「人から認められたい」という気持ちを捨てる。
○最初で最大の勝利は、自分自身を克服することである。
○規律がなければ、「夢をかなえる力」は育たない。
○最高のリーダーは、自分の利益を追求するようにも、人びとに奉仕することを欲している。
○まだ青いうちは成長を続ける。熟したとたんに腐り始める。

 

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