次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【生徒指導・健全育成】繰り返さぬ思い

 ある学校での話です。かつて生徒指導困難校だった当時、働く者つまり教師集団にとって最悪の状況だったそうです。日々発生する生徒指導の対応に追われ、毎日が苦痛に満ちたものだったと語ってくれた教員もいました。
 授業中の校内徘徊はあたりまえ、目の前でタバコを吸っている生徒に注意しても、反対に暴言が返ってくるだけ。校内での暴力、暴言、喫煙、エスケープ、イタズラ、放火・放尿…徒党を組んで歩く、警察が来ても悪態をつく。保護者を呼んでも、逆に教師の責任にされる。
 地域の信頼を失い、聞こえてくる学校不信と風評被害。親や地域からの苦情の電話も増え、教職員がさらに疲弊していく。教師は、孤立感を深め、精神的な疲労感が募っていく。空き時間は生徒指導対応に追われ、授業をしていた方がいい状況。
 プラスを生み出すことより、次々に起こる生徒指導への対応に追われ続ける。学校選択では、多くの生徒が近接する中学校に流れ、学級が減り、教師が減っていく…。
 先の見えない日々に、心を病む教師が増え、ますます疲弊していく現場。異動を希望する先生も多く、新たに投入された先生も倒れていく…。

 そんな負のスパイラルの中でも、踏みとどまり奮闘する教師たち、ツバをかけられても指導する。罵声を浴びせられてもひるまない。いつかきっとよくなる。そのよう思いで毎日を過ごしていたそうです。
 “あせらず、あわてず、あきらめず”の思いを胸に。生徒指導は全員で行う。やれることをやる。生徒指導は逃げてはいけない。後回しにしない。見たその時に、実行する。
生徒指導は、全員で行うもの。共通理解と共通指導の繰り返し。

✖あの先生はいいと言った。あの生徒には違う対応をした。
✖あの先生の言うことは聞く。あの先生の前では勝手にする。

 トラブル・事件の小さいうちからしっかりと対応する。生徒理解に立った、粘り強い指導・支援と見届けを大切にする。出来事の裏側にある背景にまで目を向ける。話を聞いて聞いて聞く。
 親を呼ぶのは、ともに生徒を育成するため。親の思いや願いを考える。良い事も連絡する。敵対しないように「共に」という姿勢が必要。少しずつ、信頼と味方を増やしていく。
 どの子のも素晴らし面がある。今は荒れていても、きっと良い面を生かして活躍する時がある。いつかは立派になってくれると信じて。

 

 

   【2020.6.26公開記事のリライト】

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