次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【学力向上】「見通しと振り返り」について考える

新設された「見通しと振り返りの重視」

 前回の学習指導要領の改訂にあたり、学力の3要素が示され、子どもたちの学習意欲の向上を重視する方針が示されました。その中で「見通しと立てたり、振り返ったりする学習活動の重視」が、学習指導要領の総則(教育課程実施上の配慮事項)に新たな項目として設定されたのです。

主体的に学ぼうとする力(学びに向かう力人間性等)を高める

 旧来の授業で実践されてきた、導入時の単なる課題の提示やまとめとは質的な改善を図っていく必要があります。これからの学習指導要領においても、【主体的な学び】が重視されています。
 主体的な学びについては、「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。」と説明されています。

各学校の実態=「振り返り」に課題

 各学校の実態としては、「見通し」は多くの先生方に認識され、実践されるようになったが、「振り返り」に課題があると指摘されています。分かってはいるが時間がないというのがほとんどの理由です。
 学校全体で「振り返りの充実」を図り、学力が向上した例が沢山報告されています。授業の設計全体を見直し、これまで以上に振り返りの充実を図ってきましょう。

「見通し」のポイント

①学びたい・調べたい・話合いたいという思いをもたせられたか。「おもしろそうだ」「何だろう」という興味・関心を持たせるような学習への動機付けを大切にする。

②学習する必要感を持たせられたか。日常生活との関連を図ること。生活に役に立つとことがわかる学習にする。

③学習課題を明確に板書に明示しているか。学習課題が「調べよう」「話合おう」等では活動が目的化してします。学びを深める課題を工夫する。

④学習課題は、1単位時間の冒頭とは限らない。興味関心を持たせてから、提示することもある。

「振り返り」のポイント

①子どもたちが「分かった」「できるようになった」という実感を持たせられたか。単なる教師による「まとめ」ではありません。児童・生徒一人一人の学びの振り返りが大切。

②学習内容の振り返り(内容を確認すること)。その時間の学習への取り組み方のよさ、頑張ったことなどを児童・生徒に気づかせることも大切。

③学習内容を現在や過去の学習内容と関係付けたり、一般化したりする振り返り(内容を関係づけたり、一般化したりする振り返り)

④学習内容を自らとつなげて自己変容を自覚する振り返り(学習課題に正対したまとめが児童・生徒自身の言葉で行われていたか。考えたこと、分かったことを文章でまとめさせることが大切)

⑤単元全体の中での位置付けが意識され、次の学習につながる振り返りとなっているか。

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