次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【生徒指導・健全育成】道徳教育の抜本的充実にむけて②「考え、議論する道徳」への転換

「考え、議論する道徳」への質的転換に向けて

※道徳的価値に迫る読み物の活用や、道徳的価値に関する問題解決的な学習・体験的な学習など、多様な指導方法を取り入れた授業を各学校において展開する。

問題場面から考える

①道徳的価値のことは理解しているが、それを実現しようとする自分とできない自分との葛藤から生じる問題(いじめの例)
・いじめをせずに誰とでも仲良くしたい(「相互理解、寛容」「友情、信頼」など)
・現実の場面では傍観してしまう。
・相手も非があると思ってしまう。
・異なる考えや立場を受け入れられない。
②複数の道徳的価値の間の対立から生じる問題
・「自分ならどうするか」という観点から道徳的価値と向き合うとともに、自分とは異なる意見をもつ他者と議論することを通して、道徳的価値観を多面的・多角的に考える。
・他者との合意形成や具体的な解決策を得ること自体が目的でなく、多面的・多角的な思考を通じて、道徳的価値の理解を自分自身との関わるの中で深める。

道徳科の学習状況に関する評価

①数値による評価ではなく、記述式とする。
②個々の内容項目ごとではなく、多くくりなまとまりを踏まえた評価とする。
③他の児童生徒との比較による評価ではなく、児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止めて認め、励ます個人内評価として行う。
④学習活動において児童生徒がより多面的・多角的な見方へと発展しているか、道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているかといった点を重視する。
⑤調査書には記載せず、入学者選抜の合否判定に活用することのないようにする。

道徳科の評価の工夫に関する例

①児童生徒の学習の過程や成果などの記録を計画的にファイリング等に集積して学習状況を把握する。
②記録したファイル等を活用して、児童生徒や保護者等に対し、その成長の過程や到達点、今後の課題等を記して伝える。
③授業時間に発話される記録や記述などを、児童生徒が道徳性を発達させていく過程での児童生徒自身のエピソードとして集積し、評価に活用する。
④作文やレポート、スピーチやプレゼンテーション、協働での問題解決といった実演の過程を通じての学習状況や成長の様子を把握する。

参考:小学校・中学校道徳担当指導主事等連絡協議会H29.7/12資料「『道徳教育の抜本的充実に向けて』予測できない未来を、他者と共によりよく生きる力を育てる~」(文部科学省初等中等教育局教育課程課)

にほんブログ村 教育ブログへ
にほんブログ村