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若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

【生徒指導・健全育成】誰しも強みもあれば弱みもある~良さを生かした指導へ~

誰しも強みもあれば弱みもある

 人間だれしも強みもあれば弱みもあります。それをお互いに認め合った上で、支え合うことの大切さは、どの学校でも、心ある教師なら子ども達に教えていることだと思います。それぞれの先生の強みを生かし、弱みを補い合う。そんな職場こそ、安心して世働ける一人一人の良さを生かした職場づくりにつながっていくものです。

 子どもたちにも、それぞれの強みや弱みがあります。指導していく上でも強み(長所)を伸ばし、弱み(課題)を改善していくという視点が、子どもを自信を持たせながら健全に育成しく上でとても大切になります。誰しも弱みだけを指摘され続けたら、意欲を削がれるだけでなく、のびのびと成長していく力さえ奪われていく危険性があります。

 ある教育に関する研修会で講師の方が「成長させるとは、自信を持たせること」だと言っていました。とても大切な考え方だと思います。子どもを指導(注意)するときなど、自信を失わせたままにしていないか気をつけなければなりません。「叱る」とは、言葉で相手(子ども)をよりよく成長させるための行為です。自信を失ったままにしては指導になりません。自信を持たせられるような見届けを心がけたいものです。そして、指導した限りは、その子どもの成長に寄り添い、見届けつづけていく姿勢を大切にしましょう。

個に応じた「支援」という発想をもった指導を

 生徒指導は、子どもを改善・向上させるための行為であり、その方法は様々であり、王道などありません。ある先生のやり方が、他の先生にもよいやり方として適用するとは限りません。ある子どもで上手くいった指導が、他の子どもにふさわしいとも限らない難しさがあります。どのような場合であっても、画一的な指導だけでは改善されません。個に応じた指導と支援の視点が必要です。
 子ども自身の抱えている発達、気質、環境などの背景にまで思いを巡らせた丁寧な指導や支援が求められています。そこで、次のような点を配慮したいものです。
①色眼鏡で見たり、これまでの言動等から短絡的に判断し対応したりしないこと。
 (行為を否定しても、人格は否定しない)
②予想できない言動に対しても驚かず、常に客観的に、冷静に対応すること。
 (一時の怒りや裏切られたというこちらの一方的な思いで感情的に指導しない)
③小さい芽のうちから、一つ一つ粘り強く、丁寧に指導していくこと。
④「逃げを許さず、逃げ道をつくった」指導に徹すること。
⑤どのような小さいことでも報・連・相を徹底し、情報を共有すること。
⑥具体的役割を分担し、複数教員で対応すること。
⑦信頼関係をコツコツと築くことが、指導の前提となる。

子どもが育つ魔法の言葉

 世界のベストセラー『子どもが育つ魔法の言葉』の著者ドロシー・ロー・ノルトの言葉です。
「誉めてあげれば、子どもは明るい子に育つ。
 愛してあげれば、子どもは人を愛することを学ぶ。
 認めてあげれば、子どもは頑張り屋になる。
 分かち合うことを教えれば、子どもは思いやりを学ぶ。
 親が正直であれば、子どもは正義感のある子に育つ。
 優しく、思いやりをもって育てれば、子どもは優しい子に育つ。
 守ってあげれば、子どもは強い子に育つ。
 和気あいあいとした家庭で育ては、子どもはこの世の中はいいと
 ころだと思えるようになる。」

 ※「親」を「教師」に、「家庭」を「教室」に置き換えてみてください。

【雑記①】

 教員集団には、若手もいればベテランもいます。押し出しの強い先生もいれば優しい先生もいます。経験、年齢、性別、性格の違いなど、多様なそれぞれの違いを尊重しあい生かしあえる、そんな学校にしていきたいものです。人が生かされ育つ学校こそ、子どもたちが生かされ育つ学校となります。

【雑記②】

 若い時は、年齢的にも近い分、子どもたちから相談しやすい面があります。時に起きるトラブルの多くが「他の先生には絶対言わないで」という相談から、一人で抱え込み、身動きが取れなくなったり、結局、その子どもの何も解決できなかったりすることです。保護者や同僚からも責められ、その子どもも離れていくことが多いようです。原則は適度な距離感と「一人で抱え込まない」ことです。組織で対応、これが指導の基本です。若い担任の先生は、クラスの問題を自分の責任と思い抱え込む傾向があります。オープンにできる職場こそ、強く頼りになる職場です。大変な時はお互い様です。周囲は批判より、協力を大切にする職場にしていきましょう。

 

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