次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

向上する学級(学校)と荒れる学級(学校)

「学び続ける者のみ、教える資格がある」と言われます。教師になることは、ゴールではなくスタートです。管理職も一緒。管理職になることはゴールではありません。どちらも人を教え育てる者として、成長を求め歩み続けていくことが求められます。

【向上する学級と荒れる学級】

○同じ言葉で同じ指導をしているのに、信頼されていく先生と反感を買う先生がいる。力のある先生は、指導するほど信頼されていく。一方で、指導するほど子どもたちや保護者の心が離れていく先生がいる。
○経験を積んでいけば、不満を募らせている子どもに対して、強い指導で従わせ表面化させないこともできる。果たして、それは教師としての正しい成長の道なのだろうか。
○蓄積されていった子どもたちのマイナスの感情は、違う場面(次の学年や他の先生の前)で、より強化された形で顕在化していく可能性が高い。

【指導の善し悪しの分岐点】

○指導スキルを身につけていくことも重要ですが、それ以前に意識しなければならないことがあります。
○指導の善し悪しの分岐点は、誰のために指導をしているのかという指導する側の心(マインド)です。
○勉強ができない。劣等感を持っている。今まで褒められたことがない…手のかかる子どもほど、自分のために先生が指導してくれているのか、先生自身のために指導しているのかを敏感に感じ取るものです。
○人は、自分がされたように、他の人に対してもするようになるものです。

【どの子も必要な存在であり優れた力を持っている】

○ともすると真面目で一生懸命な教員ほど、完璧を求め。子どもたちができないことを否定的に捉えてしまう傾向があります。気をつけなければならないのは、ネガティブな視点ばかりで子どもを捉えてしまうことです。
○マイナスの感情で、できないことばかりに焦点化して接してしまうと、子どもの心は伸びていきません。劣等感(自己否定感や自己無用感)や指導者への反感が育っていく危険性が高くなります。(子どもを主な情報源とする保護者も同様の感情を募らせていきます。)
○子どもと接する上で大切にしたいのは、常にポジティブに一人一人の子どもを捉え、プラスの心・感情を育んでいこうとすることです。
○どの子も、必要な存在であり優れた面を持っているものです。

【ネガティブフォーカスとポジティブフォーカス】

指導力のある先生の多くに共通しているのが、子どもたちと接する上で、ネガティブフォーカスではなく、ポジティブフォーカスを大切にしているということです。
○悪いのは相手(子どもや保護者など)の責任と考えるのか、上手くいかないのは自分の責任と考えるのか。否定的な奪う言葉ばかりを使うのか、自信や勇気を与える言葉を使うのか。子どもの心を開かせるのか、閉じさせるのか。
○ダメなものはダメ。当然、厳しい指導が必要な時があります。しかし、できない事ばかりで、課題が沢山あり反抗的な子どもだとしても、その子の未来まで否定するような指導はしてはいけません。その子自身が苦しんでいるかもしれません。
○私たちが育てているのは、目の前の子どもたちであるのと同時に、その子たちの未来も育てているのだから。