次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

子育てについて

子育てについて
一歳ほどになり、ようやく歩けるようになった子どもが転んだとき、あなたらならどうしますか? 
 抱きかかえて立たせる行為は、大人としての当然の優しさです。一方、自分で立ち上がるのを見守るという優しさもあります。転ぶ度に大人が立ち上がらせていると、自分で立ち上がろうとする力を育てることができず、大切な成長の機会を失うことになります。
 これは学校生活の中でも同様のことが沢山あります。子どもたちには、将来、予測不能の沢山の困難が待ち受ける社会に出ていく時がやってきます。学校教育を通して、自立した大人として逞しく生きていく力を身に付けてさせていく意識が大人(教職員、保護者など)の側に求められます。
 集団で生活していく上では、仲間と協力したり苦しいことを乗り越えていこうとする力が必要になります。時には、対人関係に悩んだり苦しい経験をしたりすることになります。そんな困難の一つ一つを大人が取り除いていては、自立する力は育っていきません。
 自分で立ち上がる力=「自立」する力を身に付けさせるために、大人が見守ることも大切であるという視点が必要なのです。
 
※気になること
 保護者から学校への厳しい要求が増えているように感じます。教師や学校側の対応が不適切なものも沢山存在しているとは思いますが、特に気になるのは、当初から、教師や学校を倒すべき相手(敵)と考え、攻撃する姿勢であるケースが増えてきていることです。
 「子どもの成長」という視点を抜きに、保護者が学校(時には教育委員会)に勝つまで(勝ったと実感するまで)戦うこと自体が目的になってしまっていることが多いようなのです。
 大切なのは、子どもを共に育てていこうとする協働姿勢です。そういう力をに身にけていく機会を失った子どもの成長への損失は、図り知ることができません。また、その結果は遠い将来になって表れてくるものだと思います。学校教育に携わっている者の多くが、多大な危惧を抱いています。
 
「子育てって、結局そういうことなのよ。
 子供に代わって闘うことじゃない。
 子供が自分で闘っていくための準備を
 整えてやることなの。」
 (ジェフリー・ディーヴァー『名言手帳』より)