次代を担うみなさんへ  

若手・中堅・管理職、これからの教育・学校を支えるみなさんに伝えたいこと。

2020-01-01から1年間の記事一覧

【人材育成・教員養成】人を育てる場所

教師としての仕事をしていると、大人であること、教師であることの「力」を使って、児童生徒に対して自分の言うことを聞かせようとする危うさを感じることがあります。ともすると、そういった言うことを聞く児童生徒を「いい子」としてしまうおそれもありま…

【生徒指導・健全育成】挨拶は児童生徒を変え、学校を向上させる

たかが挨拶、されど挨拶 自分が若い時、「挨拶は大切なもの」とは認識しながらも、どこか軽く考えていました。今は、表題の通り考えています。多くの学校にお邪魔していると、子どもの挨拶の違いを強く感じます。活気のある学校は、子どもが立派で元気な挨拶…

【ことば】”こころづかい”と”思いやり”

”こころづかい”と”思いやり” 「こころ」はだれにも見えないけれど 「こころづかい」は見える 「思い」は見えないけれど 「思いやり」はだれにでも見える 埼玉の詩人、宮澤章二氏の詩(『行為の意味』)の一部です。思いやりの気持ちを持っていても、なかなか…

【学力向上】言語活動の充実(補足)

言語活動の課題 「言語活動の充実」が叫ばれていこう、授業の中での話し合い活動が多くの学校で実践されるようになりました。「言語活動=話し合いをさせればよい」という受け止めも広まっているようにも感じます。 以前から繰り返し述べているように、言語…

【学力向上】改めて「言語活動の充実」について考える②

言語活動の充実の前提 ①先生の話を精選する。 授業は、指示・説明・発問等の教師の言葉で進んでいきます。教師の言葉の無駄をそぎ落とすとともに、生徒に1回で聞く習慣をつけさせることが大切。 ②単元で軽重をつける。 特に中学校の先生は進度が大変ですが…

【生徒指導・健全育成】生徒指導の難しさ

生徒指導の難しさ ある中学校で、頭髪をツーブロックにしてきた生徒を校門で指導し、直してくるように下校させたそうです。そのことに怒った保護者からの厳しい要求が連日続いているそうです。「ツーブロックがだめだと、生徒手帳等どこにも書いていないのに…

【生徒指導・健全育成】道徳教育の抜本的充実にむけて②「考え、議論する道徳」への転換

「考え、議論する道徳」への質的転換に向けて ※道徳的価値に迫る読み物の活用や、道徳的価値に関する問題解決的な学習・体験的な学習など、多様な指導方法を取り入れた授業を各学校において展開する。 問題場面から考える ①道徳的価値のことは理解しているが…

【生徒指導・健全育成】道徳教育の抜本的充実に向けて①

道徳教育の抜本的な充実が求められている背景 ①深刻ないじめの本質的な問題に向き合う・制度の改革だけでなく、本質的な問題解決に向かうことが必要②決まった正解のない予測困難な時代を生きていく・グローバル化、情報化の急速な進展・科学技術の進化と新た…

【学力向上】よりよい授業づくりへの挑戦④

「学び続ける教師こそ教える資格がある」…何を学ぶのか? 「学び続ける教師こそ教える資格がある」という言葉があります。教えるという営みには、同時に教師自らが「学ぶ」という行為が重要なのです。では、何を学ぶのか?良い授業づくりには、教材研究が大…

【学力向上】6-4÷(-2)

6-4÷(-2) この問題は、平成30年度の県公立高校の学力検査問題(数学)の中の1問です。正負の計算方法と、かけ算・割り算は、足し算や引き算より先に計算するという優先順位を理解しているかが問われています。毎年同レベルの問題が出題されています…

【人材育成・教員養成】教師の話し方

かつて「教師は、話をすることが中心の仕事なのに注意を払っている人が少ない」「素人レベル」と言われたことがあります。 何を話すかについての関心は高いのに比べ、どのように話すのかについて、学ぶ機会もないまま子どもたちの前に立ち、日々授業をしてい…

【本の紹介】『リストラなしの「年輪経営」』

今回紹介する『リストラなしの「年輪経営」』は、伊那食品工業株式会社の代表取締役会長である塚越寛氏の著した本です。この会社は、創業以来48年間連続で増収増益をあげているそうです。しかし、氏はこう著しています。 「増収増益は、そんなに大切なことで…

【学力向上】よりよい授業づくりへの挑戦③

教科書見開き1時間? 多くの場合、教科書の見開きを1時間で進めるように教科書はつくられています。その通りに進めていくと、終わらなくなる可能性があります。特に調べ学習や話し合い活動を取り入れていくと、その傾向が強くなります。結局、説明を中心と…

【学力向上】よりよい授業づくりへの挑戦②

言語活動というボールの支配率 授業の中で、教師が話をしてる時間と児童生徒が話をしている時間の比率はどうでしょうか?「言語活動の充実」が叫ばれて久しくなります。話をすること(言語活動)をサッカーのボールの支配率で例えるならば、かつての教師によ…

【学力向上】よりよい授業づくりへの挑戦①

逆算発想(逆算設計) 授業力向上の重要な要素の一つが、授業のゴールを明確にして遡(さかのぼ)るように授業を設計していく逆算設計です。 ゴールとは、その授業を通して児童生徒に身に付けさせたい力です。どのような力をつけさせるための授業なのかを明…

【生徒指導・健全育成】子どもを保護者とともに健全に育てる

思いが伝わらない… 子どもとコミュニケーションのチャンネルを合わせないと、大人が正しいことを言っても伝わらない。特に、小学校高学年から中学生は、コミュニケーションのズレが大人との間に起こりやすいので難しい。 一生懸命指導しても、伝わっていない…

【本の紹介】『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝に導いた47の言葉』

『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝に導いた47の言葉』(原晋著)より *学校が向上していくためのヒントが沢山あります。先生方にもお勧めの一冊です。原監督は、良い結果を出すためには「人と組織」を強くすることが重要であると述べて…

【学力向上】カリキュラム・マネジメント

新し学習指導要領の柱の一つ 「主体的・対話的で深い学び」と並び、新しい学習指導要領の柱の一つとなるのが「カリキュラム・マネジメント」です。重要な言葉であることは認識しているが、「主体的・対話的で深い学び」に比べ、イメージしづらいことや、身近…

【ことば】「社会に開かれた教育課程」

今回の学習指導要領改訂の柱の一つが『社会に開かれた教育課程』です。中教審答申では、以下の三点が重要になると説明しています。 ①社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介してそ…

【本の紹介】「生徒に『私はできる!』と思わせる超・積極的指導法」

「生徒に『私はできる!』と思わせる超・積極的指導法」長谷川博之著(学芸みらい社)の内容の一部を紹介します。中学校の先生が書いた本ですが、生徒指導に苦しむ小学校の先生にも参考になると思います。 生徒指導とは 文部科学省から出されている『生徒指…

【組織・マネジメント】リーダー論、組織論を学ぶ

リーダー論・組織論を学ぶ機会がない 管理職だけでなく、全ての教師もリーダー論や組織論を学ぶことが必要だと思っています。残念ながら、今の学校現場では、そのような機会のないまま、経験的に身につていくことになります。信じられないことに、管理職も同…

【ことば】「18歳成人」

明治時代から今日まで約140年間、日本での成年年齢は20歳と民法で定められてきました。この民法が改正され、2022年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に変わります。現在の小中学生については、18歳になったとき「成人」となるわけです。 「18歳成人」にと…

【生徒指導・健全育成】学校が再開します。「認める」ことから始めましょう。

この学校、このクラスでよかったと思えることの大切さ 自己有用感・自己肯定感を育てる指導を大切にしましょう ・自己有用感→反対に言えば「自己無用感」自分は必要とされていない。不要な存在なんだ。・自己肯定感→反対に言えば「自己否定感」自分は何もで…

【ことば】素敵なギフトは忘れた頃にやってくる(教育は未来を育てる仕事)

以前の話です。 かつての教え子に呼ばれ、再会を楽しんできました。20名程の卒業生との時間は、この仕事ならではの幸せな時間でした。再会すると「あの時」に戻れることも嬉しいものです。 今年30代半ばになる卒業生達は、みな立派な大人になっていまし…

【組織・マネジメント】学校の働き方改革~持続可能な働き方へ(今やらないでいつやるのか)~

年々忙しくなる現場 学校現場では、「ふと気づくと、一日トイレに行かなかった」「電話しなければいけないのに忘れてしまった」「空き時間は生徒指導のために今日もつぶれてしまった」「教材研究と学級通信は、休日や家での仕事」「生活記録ノートは今日もス…

【人材育成・教師養成】仕事上達術(親切丁寧)

相手の立場に立って仕事を進めること。簡単なようで、中々できるものではありません。しかし、とても大切なことであることは、間違いありません。成功している企業や店舗の多くが、相手の立場を重視した経営を実践しています。例えば、提出するものがあった…

【組織・マネジメント】挑戦は人を育て、組織を育てる(2つの経営観)

2つの経営 学校経営や学級経営の「経営」には、大きく2つのタイプがあります。 一つが「管理的経営」、もう一つが「戦略的経営」です。管理的経営とは、やるべき事を着実に進めていくことを重視した経営。戦略的経営とは、新しいことに挑戦しながら向上を…

【生徒指導・健全育成】子どもをやる気にさせている先生(「doing」と「being」)

ポジティブフォーカス 児童生徒をやる気にさせている先生に共通しているのは、「この子のここがおもしろい」「この子のこういうところを伸ばしてあげたい」という思いをもっていることです。いわゆるポジティブフォーカスを大切にしているということです。 …

【本の紹介】『深い学び』

「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)への挑戦 お薦め図書とその中の一部を紹介します。皆さんも読んでみてください。『深い学び』田村学著(東洋館出版社)です。一部抜粋して紹介します。 ・そもそも「見方・考え方」は教科の本質、そ…

【組織・マネジメント】何故、戦略的な学校はホームページシステムを変更するのか?

重要な学校資源 何故、学校ホームページに力を入れるのか? それは、人・もの・金 だけでなく「情報」や「ネットワーク」も重要な学校資源だからです。 既に、学校ホームページの有用性に着目し、力を入れている学校は、「開かれた学校づくり」(「地域とと…